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【エブリイワゴン ジョイポップターボ】 試乗・評価レビュー

 室内スペースの広さなど、ワゴン車は使い様によっては非常に便利な車種です。 しかし、前席スペースの圧迫感や車両重量による燃費など・・・ 使用する環境用途が合わないと実用性がイマイチとなってしまいそう。 (最終更新日 2007年4月)

【 車種概要・仕様 】

 商用貨物「エブリィバン」をベースに、内装・外装のグレードアップや装備品の充実など機能性が向上された乗用ワゴンモデル。 商用バンがベースなだけに、室内の広さやカーゴスペースの広さはトールワゴンとは桁違い。

 搭載するエンジンは64psのターボエンジン、トランスミッションは4ATです(平成11年の初期モデルでは3AT)。 当モデル(後期型)よりタイミングチェーン駆動の「K6A」エンジンが採用されています。

 車高は1870mmなので立体駐車場には入れないと思っておきましょう。 車重は900kgを越えているのでかなり重い(4WDだと1トン近い)。 ターボエンジンと重い車重で燃費はイマイチ・・・ カタログ燃費は15km/リットル前後(10/15モードカタログ燃費・オートマ)となっているのだが、所有しているユーザーからは、実走だと10km/リットル以下・・・という厳しい声もよく耳にします。

 今回の取材車は14年式、ジョイポップターボ・ハイルーフ、2WDのコラムAT(4AT)。 リアスポイラーやフォグランプはオプション設定だったと思います。 タイヤサイズは13インチでアルミホイールが標準装備になっています。
※ なお、当記事は取材当時の情報と取材対象車が主となりますので、地域・年代・年式や仕様・モデルの違いなどから、上記車種概要(当時のモデル情報等)や時代背景・周辺環境の基準・流行感覚だけでなく(燃費とか室内環境の感覚など)、当該同一車種でも 当記事情報と(が)異なろう部分もあろうかと思われますので、これら何卒予め m(_ _)m

【 室内スペースなど 】

 運転席に座ってみて、はっきり一言「圧迫感がある」。 考えてみると長さや幅は軽自動車の規定サイズがあるのでワゴンRなどと同じ寸法。 やはりカーゴスペースを重視している車種だけに、リアのスペースを広くする為に前席のスペースを必要最小限に設計していると思われる。 しかし、圧迫感があるからと言って、決して狭いわけではない。

 ハンドルカバー下部と膝の干渉が気になりそう・・・と思いハンドル周りの寸法を計測してみたのだが、ハンドル下部から座席まで約19cmと、数値上でもそんなに狭くない(シートを一番後ろまでスライドさせると身長172cmの私でも膝が当たる事はない)。 高いシート位置とハンドルの角度など、ワゴン車特有のポジションが圧迫感の原因だろう。 (ちなみに、上級グレードのPZにはハンドルのチルト機構が付いています。)

 シートの座席位置は地面から約80cmくらいあり、背丈の低い女性には乗り降りが少々難しく感じられるかも・・・。 ちなみに、ワゴンRなどのトールワゴン系のシートの座席位置は地面から60cmくらいです。

エブリイワゴン運転席  エブリイワゴン座席周り

 リアのカーゴスペースは申し分ないほど広い。 高さは112cmくらいで、奥行きは約100cm(リアシートのスライドを一番後ろへ下げると約85cm)。 リアシートを収納したカーゴスペースの奥行きは約180cm。リアの開口部は横幅120〜125cmくらい、縦幅は110〜112cmくらいです。

 後部座席は座席足元へ収納する形でフラットになるが、収納は思っているよりも難しくはなく意外とスムーズに収納が可能。 リアシートは分割シートになっていますので、リクライニングや前後スライド、収納など左右を独立させたシートの使い方が出来ます。 後部座席の足元は広く、ワゴンRなどと比べると10cm〜前後くらい広い(前後シートを一番後ろまでスライドさせた場合)。

 リア・バックドアは、開いた状態での角度が約90°なので思ったよりも地面から高くならず、ワゴンRやムーヴなどのトールワゴンとあまり大差はないようです。

エブリイワゴン リアシート収納  エブリイワゴン荷室スペース

エブリイワゴン バックドアフルオープン高さ  エブリイワゴン リアシート周り

 もちろんシートを後方へ倒したフルフラットシートへアレンジ出来ます・・・が、フラット感の全く無い凸凹状態。 休憩で横になるくらいなら問題はなさそうだが、車内泊となるとアフターパーツ(エアベッドなど)無しでは寝心地がイマイチかも・・・。

エブリイワゴン シートフルフラット  エブリイワゴン シートフルフラットその2

【 装備・気になった点 】

 カーゴスペースの広さ以外にも、両サイド「スライドドア」というワゴン車ならではの特徴があります。 スライドドアは車体から15cmほどの隙間があれば空けることが出来ますので、狭い場所でのドアの開閉にはとても便利。 開けっ放しでもドアが邪魔にならないので、荷物の積み下ろしをする場合にも重宝します。 また、両側スライドドアの窓ガラスも開閉可能なのもポイントが高い。 しかもガラスはしっかりと下まで降りるので、窓枠に中途半端なガラス上部が残らないのも高ポイント。 もちろんパワーウインドウ装備。

エブリイワゴン スライドドア  エブリイワゴン リアウインドウ フルオープン

 ボンネットを開けると冷却水のタンク類やウォッシャー液、ブレーキオイルやジャッキなどの工具が納まっています。 メンテナンスや収納の点から見ると利便性が良いかも。 ちなみにエンジンは助手席のシート下に納まっていますので、エンジンの騒音はそこそこ室内へ入ってきます(もちろん遮音・遮熱はされています)。

エブリイワゴン ボンネットルーム内  エブリイワゴン エンジンルーム

 実際に走行してみると、乗用ワゴンなのでバンタイプと違って乗り心地も考えられており、変なゴツゴツ感の無い乗り味になっています。 停止状態からの初期加速がやや重いが、64psのターボだけあって中速からそこそこトルク感もあり特に不満はなし。

 以上、エブリイワゴンの試乗レビュー記でした。

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